健康を支える奥歯の役割とケアの重要性

口腔内の様子


こんにちは。静岡デンタルクリニックの浦野です。

10月8日は「奥歯の日」でした。
この記念日は、10月(英語でOctober)の「オク(奥)」と日付の「8=歯」という語呂合わせから、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社が制定しました。
また、秋の味覚をしっかりかんで楽しみ、健康的な食生活を送ってほしいという願いが込められています。

今回は、奥歯が担う大切な役割とむし歯になりやすい理由についてお話しします。

奥歯の果たす大切な役割

私たちのお口の中には、「前歯」「犬歯」「小臼歯」「大臼歯」という4種類の歯があります。このうち、犬歯より後ろにある小臼歯と大臼歯をまとめて「奥歯」と呼びます。
奥歯の大きな役割は、食べ物をしっかりとかみ砕き、細かくすりつぶして消化を助けることです。食材をよくかんでから飲み込むことで胃腸への負担が減り、栄養の吸収もスムーズになります。
一方で、奥歯を1本でも失うと、かむ力が約4割低下するといわれています。これにより、硬いものが食べにくくなったり、食べやすいものばかり食べることで栄養バランスが崩れたりすることがあります。
さらに、奥歯には発音を助ける役割もあるため、奥歯を失うと、「ラ行」や「イ段」の発音が不明瞭になる恐れもあります。

奥歯がむし歯になりやすい理由

奥歯のかむ面には深い溝やくぼみが多くあり、食べかすや汚れが残りやすい構造をしています。さらに、奥歯は歯ブラシの毛先が届きにくく、みがき残しが生じやすいのが特徴です。そのため、歯垢や歯石がたまりやすくなり、結果としてむし歯や歯周病のリスクが高まります。
また、奥歯は前歯よりも、平均して10年ほど早く失われることが多いといわれています。食事や会話の質を保つためにも、普段から奥歯の汚れをしっかり落とすことが重要です。

奥歯を守るためのセルフケア

奥歯を長く健康に保つためには、毎日の正しい歯みがきがとても大切です。以下のポイントに注意しながらケアしましょう。

  • かむ面:溝やくぼみを意識して、小刻みにブラシを動かしながらみがきましょう。
  • 外側(頬側):お口を少し閉じると、奥まで毛先が届きやすくなります。
  • 内側(舌側):歯の並びに沿ってブラシを斜めに入れると、すき間の汚れも落としやすくなります。
  • 補助清掃具の活用:歯間ブラシやデンタルフロスを取り入れると、歯と歯の間の細かい汚れもしっかり除去できます。

定期的なチェックの大切さ

毎日セルフケアをしていても、奥歯の奥にたまった汚れや歯石を完全に落とすことは難しいです。汚れをそのまま放置すると、気付かないうちにむし歯や歯周病が進行することがあります。
当クリニックでは、定期健診や専門的なクリーニングを通じて、お口の中を清潔に保つお手伝いをしています。また、奥歯をきれいにみがくコツや、患者さん一人ひとりの生活習慣にあわせた歯みがき方法も丁寧にお伝えしていますので、ぜひお気軽にご来院ください。